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2020年6月12日 (金)

「運定めの話」その1 

私は自粛中に「運定めの話」を新しく覚えました。『子どもに語る日本の昔話3』(こぐま社)をテキストにしましたが、これは鳥取県のはなしです。『日本昔話百選』には鹿児島県のが収録されています。解説には、「「産神問答」とも言うように、出産の神である、山の神・箒神・便所の神などの問答で予知したとおりに赤子の生涯が展開する話。後半に「炭焼長者」のモチーフが付くことも多い。・・・わが民族の幽遠な昔の信仰心をうかがうことができる。」このおはなしの世界をいつものように掘り下げているのだけれど、奥が深くて迷いそうです。おはなしは以下の通りです。

旅に出ていた長者が、女房のお産に間に合うように急いで家に戻る途中で日が暮れてしまい、賽の神のお堂に泊まる。夜中にふと目が覚めると馬のひずめの音がして、杓子の神と箒の神が長者の女房のお産に行く途中で賽の神を誘いに来た。賽の神は急な泊り客があって行かれないから、安産させてやってくれと頼む。夜明け前に二人の神様はもどり、賽の神に報告した。長者の息子は青竹三本の運で寿命は49才まで、長者の小作人の娘は一日に塩一升使う運で寿命は88才を授けて来たと。神様の話を聞いて、長者は女房は男の子を産んだことを知る。

やがて、二人は大きくなり、長者は息子に家を継がせ小作人の娘を嫁に迎えてやった。道楽者で働かない息子のせいで家は傾き始める。女房が昼飯に出したそば餅を旦那は「こんなものが食えるか」と皿を足で蹴った。女房は家を出る決心をする。長者の蔵のそば神やたくさんの神もいっしょに出て行くことに決める。女房は山の小屋に泊まるが、そこは炭焼き五郎左衛門の小屋だった。あくる朝女が小判を1枚男に渡し、里で米を買うよう頼む。男は途中の池にカモが2羽いたので女にとってやろうと小判を投げたが、小判は池に落ちてしまう。男は残念がる女にそんなものなら、自分の炭焼き窯の後ろにあると言い、見ると確かに金があった。そして、二人は結婚し長者になった。

ある日、女の元の旦那がかごを売りにきた。元の旦那は一日に青竹三本切って、ざるやかごを作って売り歩いていた。女は哀れんで藁のつとにたくあんと小判を5枚入れて渡すが、元の旦那は馬鹿にするなと怒って藁のつとを川に投げ捨ててしまった。青竹三本の運の男と塩一升の女のはなし・・・。

「運定めの話」は南は沖縄諸島から北は青森まで全国に類話があります。『子どもに語る日本の昔話3』収録のはなしは、全体を「産神問答」と「炭焼き長者」の二つに分けることができます。まずは、「産土問答」から片付けていきたいと思います。

<参考資料>
『子どもに語る日本の昔話3』稲田和子・筒井悦子著 こぐま社
『日本昔話百選』稲田浩二・稲田和子編著 三省堂
『昔話・伝説小事典』みずうみ書房
『ガイドブック日本の民話』日本民話の会編 講談社
『日本昔話ハンドブック』稲田浩二・稲田和子編 三省堂

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