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2020年6月13日 (土)

「運定めの話」その7 柳田国男さんとわらべうた

少し前の日経新聞夕刊にノンフィクション作家の堀川恵子氏のエッセイが掲載されていました。詳しくは忘れてしまったのですが、自粛中に美容院に行けなかった人は多く、ご自身の周りのご友人たちも困っていたという内容でした。けれども、堀川さん自身は、以前400冊の本を読む必要があり、1年間家にこもって読み続けたら、髪に気を使わなくなったと書いていました。本を書くために、400冊を1年読み続けるパワーを凄いものだなと感じ入りました。

柳田国男氏は朝日新聞社に勤める前の明治35年から大正3年までは、法制局の参事官をしていました。特赦の担当で、特赦するためには膨大な資料を”年百年中”読む必要があったそうです。しかし、彼は文字を早く読むことに慣れていたので資料を読み込むことには少しも苦がなく、むしろ事件内容に興味を惹かれていたそうです。「炭焼き小五郎が事」は、柳田氏が全国の資料を丹念に読んでいる軌跡を感じます。今はネットで調べることができて便利ですが、当時は読む前に必要な資料を集めるだけでも相当大変だったのではないかと思います。

柳田国男氏は、昔話や伝説以外にもわらべうたから古の民の痕跡を探しました。例えば江戸のてまり歌から・・・遠から御出でたおいも屋さん おいもは一升いくらです 三十五文でござります。もちっとまからかちゃからかぽん・・・から、遠くから来たおいもやは鋳物師のことではないかと類推しています。一般的にお芋屋さんは遠くからこないからです。

岩手県遠野のわらべうたの伝承者である阿部ヤエさんは、わらべ歌は民衆の語り伝えてきた大切なものであり、歴史を後世に伝えるためにも伝えられた通り覚えて伝えるよう教えられたそうです。わらべうたや昔話に残る古の民の記録は、現代に生きる私たちもそのまま伝えて行きたいものだと思います。もう今では意味はわからなくなっていても、言葉ひとつひとつに古の民の記憶の断片が含まれているからです。


<参考資料>
『柳田国男 山人論集成』柳田国男著 大塚英志編 角川書店
『海南小記』柳田国男著 角川書店
『人を育てる唄』阿部ヤエ著 エイデル研究所

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