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2020年6月12日 (金)

「運定めの話」その2 産神さま

このはなしは、日本に古くからある人の運命の決定や出産には、産神・山の神やほうき神・杓子神・かわや神など多くの神がかかわるという信仰をベースにしています。神や精霊により産まれた子どもの運命が決定されるパターンはいくつかあり、これは、子どもの将来の貧富が定められる「男女の福分型」です。

私はこのはなしを読んで、子どもの頃に母に躾けられたことを思い出しました。私の子ども時代には古い日本人の信仰の名残が残っていました。確かに、箒の扱いに関してはとてもうるさかった。箒は神様だったからなのですね。「杓子(しゃもじ)についたご飯をかぶりついてはいけない。」「便所をきれいに掃除をすると綺麗な顔の子が産まれる。」そう、便所は毎日掃除をしてきれいにしておかなければならなかった。便所は母屋から離れたところにある汲み取り式で、そこに行く通路や庭も毎朝掃き掃除をさせられて。通路の途中に牛小屋があって、トイレの行き帰りが怖いし、汲み取り式の便所掃除も怖くて忘れもしない思い出です。それは、神様へのお浄めだったのですね。箒は悪霊を払い掃き清めて安産を願いますが、かつては祭祀用の道具でもあったそうです。鍋釜をいつもきれいにして台所を清潔にするのは、産神ではありませんが、竈の神への感謝の気持ちを捧げるためでしょう。

「杓子」が「しゃもじ」になったのは、江戸時代に宮島の琵琶の形がヒントになり「しゃもじ」を作り有名になったとか(ウィキベテア)。米を扱う杓子は五穀豊穣を祈る物でもあり、主婦が扱う道具です。「かわや」は古くは「川屋」で川のほとりに建てられたそうです。母屋から離して建て、家族の健康を守るだけでなく産神でもありました。昔話の「三枚のお札」では、男の子をかわやの神が助けてくれます。

「運定めの話」には、そば神をはじめ味噌蔵の神・米蔵の神、いろいろな蔵の神も出てきます。その話は次回に。

<参考資料>
『ガイドブック日本の民話』日本民話の会編 講談社
『日本昔話ハンドブック』稲田浩二・稲田和子編 三省堂

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