無料ブログはココログ

« 国分寺キッズステーションおはなし会 | トップページ | 早物語系のうたいむかしとは 3 »

2018年7月31日 (火)

『雲上雲下』朝井まかて

 『雲上雲下』(朝井まかて著 徳間書店)を読んだ。(Kさん、おすすめしてくださってありがとうございます。(^^)/)朝井まかてさんの本で今まで読んだ本は、『恋唄』『福袋』『御松茸騒動』くらいだが、どれもとても面白く、さすが直木賞を受賞されるほどの作家さんだと思っていた。天性のストーリーテラー的才能がある方なのだろうと思う。この本のテーマは昔語り。神の前で民の昔話をかつて語っていた草どんが主人公だ。草どんは本の中でたくさん昔話を語ってくれる。前々回のブログで書いた「つぶの唄」があるたにし長者のおはなしも出てくる。朝井まかての手にかかると、昔話の人物に生き生きと血が通って動き出す。

 環境問題から地球温暖化や海のプラスチック汚染など、私たちは未来の子どもたちに安心して過ごせる地球を手渡していくことができなくなりつつある。今では、スマホという小さなコンピューターを持って歩けるようにまでなった。でも、人間の基本は対人コミュニケーションにある。赤ちゃんがこの世に生まれてすぐに獲得すべきものだ。昔話を語るということは、対人コミュニケーションである。人と人が、おはなしを聞きながら互いに目と目を見て、目の中の感情を交感しつつおはなしの世界を共感する。昔話にはスマホも温暖化もなかった時代の良き対人コミュニケーションが残っている。ひと昔前の子どもたちは世の中に出る前に、昔話を一通り聞いて育った。昔話は間接的な体験となり、子どもに人を見る眼や生き方を養ってくれていた。

 『雲上雲下』からは作者の熱いメッセージが受け取れる。私も含めて子ども達に昔話を語ることをしている人達は、この本から強い励ましをいただくことだろう。

« 国分寺キッズステーションおはなし会 | トップページ | 早物語系のうたいむかしとは 3 »

コメント

「雲上雲下」、私も読みました! 「たにし長者」のところは、読みながら何度も胸がいっぱいに。こんなに豊かに昔話をふくらませるなんて、朝井まかてさんは、やっぱりすごいなぁ。雲上と雲下~過去と現在、空想と現実、人と人~を結ぶものは、物語なのですね。きいてくれる人がいる限り、語り続けなくてはいけない、自分も語り続けたいと、強く思いました。
朝井まかてさん、私は「花競べ」と「先生のお庭番」を読んだことがあり、どちらも大好きです。とくに植物好きな方に、おすすめです💛

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『雲上雲下』朝井まかて:

« 国分寺キッズステーションおはなし会 | トップページ | 早物語系のうたいむかしとは 3 »

最近のトラックバック

2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31