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2016年12月24日 (土)

絵本の読み聞かせ 1 子どもと絵本

 保育園のおはなし会の時、5才児クラスの女の子たちが、「今日はなにも連れてきてないの?」と私に聞きました。「くまさんも、ねずみも、ぶたも、うさぎも、小鳥も・・・・。」女の子たちは、今まで持って行った手袋人形を記憶の中からどんどん引出します。人形ひとつひとつに、私を含めてみんなでその人形のシーンを思い出して、互いに顔を見合わせ「あー、あったね。」と、笑いあいました。それぞれを口に出して言い合ったわけではありませんが、同じイメージを思い浮かべているのは確かに感じました。

彼女たちが2才児と3才児クラスの時の手袋人形まで覚えていることは、驚きです。おはなし会は毎月一回だけ、特にこのクラスは私の都合でおはなし会をお休みした時期が長かったので、こうして、記憶の中に残っていることは、とてもとても嬉しいことでした。

 子どもの心の中に、手袋人形はどんな形で残っているのだろうかと私は思います。読み聞かせしてきた絵本も、同様に子どもの中で確かな記憶として残っているのかもしれません。 保育園の子どもたちにおはなし会をする中で、私は子どもには植物の芽のようなわかりやすい真っ直ぐさがあり、自分を成長させてくれることに関して常に真剣に取り組むものなのだなと思うようになりました。絵本は間接的な体験ですが、「自分を成長させてくれる」というキーワードに当てはまる優れた絵本に出会った時、子どもたちは真剣におはなしの世界を受け止めるのです。

絵本を読んでもらう時の子どもたちの目は、絵が示すたくさんの情報を追いかけています。耳は読み手が読んでくれる絵本の言葉を聞き、絵の情報と合わせます。また、生きてきた分の自分の体験と重ね合わせ、絵本が与えてくれる実に様々な感情を繊細な食事の味のように味わいます。それから、物語の流れを頭の中で追っていきます。これまでのおはなしの経緯を思い出しながらこの先の展開を予想して、次に起こる出来事に期待してわくわくします。美しい絵画のような絵本の絵も、色覚として深く印象に残ることでしょう。さらに、ひとつのおはなしの世界は、想像力によってより深遠な世界になっていきます。こうして、子どもたちは丸ごと絵本の世界に入り、主人公とひとつになっておはなしの世界で旅をするのです。

「絵本は子どもの心の成長を助ける」と言います。自分の知っている日常世界から地続きで、日常では体験し得ない世界に行くのが子どもの絵本の特徴です。絵本は間接的な体験として、子どもの心に残り作用するものだと私は思います。

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『絵本論』瀬田貞二著 福音館書店より

「幼い子たちが絵本のなかに求めているものは、自分を成長させるものを、楽しみのうちにあくなく摂取していくことです。そして、これまでの限られた経験を、もう一度確認して身につけていく働きや、自分の限られた経験を破って知らない遠方へー活発な空想力に助けられて、解放されていく働きを、絵本がじゅうぶんにみたしてくれることを求めます。いいかえれば、小さい子たちが絵本に求めているのは、生きた冒険なのです。絵本は手にとれる冒険にほかなりません。」

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